|
ミニバイクの耐久レース参戦に向け、ブーツはモタード用に生まれ変わりました。 次に、サーキットを走るのに必要な装備は・・・ そう、革ツナギです。 学生時代、ツクバサーキットでレースのまねごとをしていたので、一応ツナギは持っています。 が、しかし・・・あれから20年以上経過し、さすがに当時のツナギはきつくて着れませんでした・・・ 着れるには着れますが・・・息もできないほど全身が圧迫されてしまいます。 ダイエットも試みましたが、そういうレベルの問題ではない感じです。 最近は、4万も出せば新品の革ツナギが買えますが、モトクロス参戦中の私には、そんな余裕はありません。 それに、このツナギも古いとはいえ革はまだしっかりしているし、転倒のキズも少なく、処分するにはあまりにももったいない。 こりゃあ・・・サイズ直しをしてくれるところを探さなきゃ・・・ 会社にミニバイクレースをやっていた後輩がいるので、彼に相談してみたところ、ツクバサーキットの近くに「LOOK」という革ツナギ専門店があり、そこで直してくれるという話を聞きました。 なに!?ルック!? そう、私の革ツナギは正にそのルックで購入したものです。 20数年前、松戸にあった店舗に掛け込み、レースをやりたいから革ツナギを下さい! しかし、学生の私には予算があまりなく、最新のフル装備のツナギは買えず、ましてやオーダーなんて夢物語・・・ その旨を伝えて、どんなのでもいいからレースに使える安いツナギはないかと相談したところ、売れ残ったつるしのツナギを出してくれました。 「これだったら、安くしてあげるよ。」 そう言って出してくれたツナギは、黒ベースに白と赤が少し配色された、当時としてもちょっと地味な印象でした。 サイドには、当時有名だったライダーのブランド名が縫い付けられ、タグもそれと同じものがついていました。 「このブランドは、うちで作っているんだ。うちで安く買ったって言っちゃあダメだよ。」 膝にはプラカップは無く、本来ツーリング用なのかもしれません。 レースに使うのならば、せめて脊椎パッドは入れた方がいいだろうということで、圧縮パッドですが背中のインナーに追加しました。 膝にはバンクセンサーも取り付け、MFJの競技規定にある自分の名前も背中に縫い付けました。 腰に、お店のロゴである「LOOK」をサービスで入れてもらい、まあまあそれらしい雰囲気になりました。 当時でも、10万円以上したと記憶しています。 もううれしくって、うれしくって・・・ この革ツナギを着て、ツクバサーキットでMFJの地方選手権はもちろん、エビスサーキットの選手権にも出場しました。 戦績は、まるでダメダメでしたが・・・ これを着て転んだのは、1回だけですね。 ツクバの1コーナーで、雨の日にすってーん! ろくにスピードが出ていなかったため、ツナギはお尻の所にかすかなすりキズと、バンクセンサーに不自然な方向の擦り跡が付いただけ。 RZV500Rで富士スピードウェイを走った時にも、WR400Fで那須モータースポーツランドを走った時も、もちろんこれを着ていました。 一般的に、サーキットを走るには、例えレースでなくても革製のツナギの着用が義務付けられています。 峠の走り屋さんならともかく、ツーリングライダーや、ましてやオフロードライダーは革ツナギなんて持っていない人がほとんどだと思います。 私のように、過去にサーキットを走るために購入したのをそのまま保管さえしていれば、いつでも着れますから・・・大事にしまっておきましょう。 ・・・が、前述のとおり、ここ数年で私の体型は変わってしまい、せっかくのツナギが着れなくなってしまいました。 前置きが長くなりましたが、そんな訳で、このツナギを再び着るためにツクバサーキットの近くにある、ルックへ持ち込みました。 店舗は違うけど同じ会社なんだから、ここに依頼するのが一番だろう。 後輩に案内図を書いてもらい、サーキットを通り過ぎるとルックの看板は見えてきました。 「ここだ!」 私がそこへ着いた時には、ちょうど職人さんが戸締りをしようとしているところでした。 「あ・・・もう今日はおしまいですか?」 「いや、いいですよ。ツナギの修理ですか?さあ、中へどうぞ。」 松戸にあった店舗に比べると、ずいぶんと規模が小さいなと思いながら中に入り、いろいろ話を聞きました。 どうやら『ルック』は数年前につぶれてしまったそうです。 今はこの作業場を使って、当時松戸にいた職人さんが『around』という名前で、一人で作業しているとのこと。 あの『ルック』がもうないなんて・・・ とても残念です。 ルックと言えば革ツナギでは結構有名で、有名ライダーも着ている人が何人かいたかと思います。 私にとっても、最初で、おそらく最後の革ツナギかもしれません。 レースはほんの2年くらいしかやりませんでしたが、サーキットのスポーツ走行はもちろん、ツーリングでもよく着ていた思い入れが強い一着です。 その製造元がすでになくなっていたなんて・・・ 今どき、バイクなんて・・・ましてやロードレースなんてやる人は、あまりいなくなってしまったのも原因なんですかね・・・ 革ツナギ着てビクスク乗る人は、ほとんどいないでしょうからね。 さて、その職人さんに状況を話し、ツナギを見てもらいました。 私の革ツナギの状態はとてもよく、革はほとんど傷んでいません。 あまり乗ってませんでしたからね・・・ 最近の安売りのつるしのツナギよりは、いい革を使っているとのこと。 ただし、やはり今の私の体型には合ってなく、革を継ぎ足してリフォームする必要があると。 ここはこう、この部分はこういう風にするといいんだと、細かい説明を受けました。 が、私としてもあまり予算はなく、できるだけ安くやって欲しいとお願いすると、機械で革を伸ばす方法を検討してくれました。 時間はかかるし伸ばす程度にも限界がありますが、この方が安く済みます。 本来、私のツナギはツーリング用だそうです。 上半身が前傾姿勢に作られてないため、前かがみになると、背中がより一層きつく感じます。 今回のリフォームのメインは丈を伸ばすことですが、前側と後ろ側とで追加する革の幅を変え、前傾姿勢にできるそうです。 その他には、ツーリング用独特の『襟』がついていたため、これを取り外し。 腕やももや腹のきつい部分は、機械で伸ばすことにしました。 これで、2万ちょっと。 最初の見積りでは3万を超えてましたが、機械伸ばしをすることで費用を抑えてもらいました。 最近では、4〜5万で新品の革ツナギが売られてますからね。 MFJの公認も取ってない古いツナギに、あまり金かけるのもどうかと・・・ (もっとも、安売りのツナギは革の質がそれなり・・・なのだそうですが・・・) 1週間経って連絡があり、さっそく翌日に取りに行きました。 ぱっと見、外観で変わったところは・・・ 丈を伸ばすのにテーパー状の革を継ぎ足した部分、裏から足して表はそれを隠すため、帯状に1枚革を縫いつけてあります。 これがオレンジ色の革で、かなりアクセントになりました。 私が街乗りに使っている、SHOEIのオレンジ色のモトクロスメットが似合うかもしれません。 襟も取り払い、ここもオレンジ色の縁取りがされていました。 さっそく着てみたところ、いままでの窮屈さはまったくありません! あれほどきつかった腕回りや腹、肩もぴったりフィットします! これなら長時間着ていても苦しくないでしょう。 |