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とうとうこの日がやってきました。
平成4年に新車で購入し、14年間で約23万km走ったキャラバンとお別れしました。

特に大きな故障をした訳でもなく、事故った訳でもありません。
ましてや飽きてしまった訳でもなく・・・いや、むしろもっともっと長く乗っていたかったというのが本音です。
不満といえば2.7リッターNAのOHVディーゼルエンジン、さすがに力不足は否定できませんが、5速M/Tのおかげもあって、バイクを積んで市街地を移動するのにはさほど不自由を感じることはありませんでした。
マルチアンプシステムのオーディオや自作の折りたたみ式ベッド、その他たくさんの装備品のおかげで快適なトランポライフを送っていました。

何も不満のなかったキャラバンでしたが、買い替えのキッカケとなったひとつはディーゼル車の都内乗り入れ禁止条例です。
私の住んでいる地域はNoxPM法の規制地域外なので、車検の継続はできますし地元で乗っている分には何も問題はありません。
ただ、東京の実家へ行く時に違反車両で来るなと親に言われたり、神奈川県の工場へ出張する時には、千葉・埼玉・東京・神奈川と、関東で条例で走行を禁止されている地域をすべて通過しなければなりません。

それから、もうひとつのキッカケは、昨年買ったばかりのハイエースを手放す後輩がいたこと。
某大手企業に勤めている後輩のM石君、昨年の10月に200系ハイエースを新車で購入。しかし、その直後に5年間のアメリカ赴任が決定!
泣く泣く手放すことになりました。

走行距離は1万キロ。
小さなスリ傷やバンパーに凹みがありますが、車内はまだ新車の臭いがします。
とても大事に乗っていたようで、荷室にはポンリウムを敷き、ボディはナントカコーティング(?)、ガラスは酸化ナントカコーティング(?)を施し、洗車機には入れずに手洗いのみという気の使いよう。
グレードはSUPER GLの4WDで、ボディ色はS-GL専用のダークグレーMと、ちょうど私の欲しかった仕様です。

新車を買うよりは安いし、こんなに条件のいい中古車は今後まず出てこないだろうと思い、後輩から買い取る事にしました。

さて、キャラバンですが、年式や走行距離からみて、普通の買取業者に持って行っても値はつかないでしょう。
ですが、ディーゼルでM/Tで4WDのバンというのは海外では需要があるらしく、輸出専門業者で高く買い取ってくれるという話を聞きました。
ほぼ同年式で走行距離も同じくらいのハイエースS-LONGを13万で買い取ってくれたという友人のT中氏に案内してもらい、その輸出専門業者に査定してもらいました。
距離の割にはとてもキレイだし、10万以上の値がつくだろうと思っていたところ、なんと査定額は1万円!

「え・・・・・・いちまんえん!?」

よく出ている型式だし、高値がつく条件がそろっているハズです。
では、何が問題だったのか?

「この車は、雹(ひょう)害車ですよね?」

忘れていた・・・・・・
そう、今から数年前、茨城南部から千葉北部にかけてゴルフボールくらいの雹が降り、付近の家のガラスは割れ、カーポートの屋根は粉々になり、車もルーフやボンネット、トランクがボコボコになってしまった事がありました。
そして、この雹の被害を受けた車は『雹害車』と呼ばれ、雹によって無数の凹みがついた部分を交換した場合は修復歴とはみなさない・・・という取り決めがあるそうです。
しかし、ボンネット・ルーフ・トランク・窓ガラスを交換した場合、軽く100万以上の修理代がかかるので、車両保険に入ってない車はそのまま乗っている人もたくさんいました。
うちのキャラバンもその雹の被害を受けた車だったのですが、それほどひどい状態ではなかったし、背の高い車で普段ルーフは見えないのですっかり忘れていました。

買取業者では雹害車の場合、被害を受けたパーツを交換してから輸出するらしいのですが、さすがにこの年式と距離では、金かけて修復するだけの価値がないそうです。

何も問題なく走っている車だし、1万円の査定だったら誰か欲しい人にでも譲ろう・・・
友人たちに声をかけてみたところ、4輪のレース関係者で足代わりに欲しがっている人がいるとのこと。
その人の居住地もNoxPM法の規制地域外なので、車検も問題なく継続できます。

その後2日間かけて、後付けの装備品を外しました。
端子台にきている配線全部とオーディオ類のケーブル、ウーファーやベッドや小物類・・・
120リットル入るコンテナボックスを4個用意しましたが、それでも入りきれませんでした。

キャラバンの引渡し場所に指定したのは、富士スピードウェイ。
その日は、仲間が四輪の練習走行に行くと言うので、そこでキャラバンを渡して、私は電車に乗ってハイエースの持ち主がいる愛知県まで向かいます。

 

ここまでが、私とキャラバンが共に歩んできた歴史です。
ここから先は、新しいオーナーと歩んで行く事になります。
ミッションオイルもデフオイルも交換したばかり。
でも、ニッサン車のオルタネータは20万キロ以内で大抵壊れると車屋さんから聞きました。
エアコンのコンプレッサーの軸受けから異音も出ています。
あとどれだけ乗れるかわかりませんが、エンジンはまだまだ元気だし、30万キロ目指してほしいと思います。

朝、富士スピードウェイに着いた時は快晴で、窓をあけてセカンドシートで横になっていると心地よい風が抜けていきます。

別れを惜しみ、待ち合わせの時間までまったりと過ごしていましたが、彼らが到着する頃になると、雲が出てきてあっというまに土砂降りになってしまいました。

あまりの降りに練習走行の準備ができず、雨が小降りになるのを待ちつつ、キャラバンに乗って場内を案内してもらいました。

それにしても、リニューアルしてから初めて来ましたが・・・いやいや、変わりましたね、富士スピードウェイも。
モトクロスコースが無くなってしまったのが残念でなりませんが・・・

引渡しの相手もキャラバンをとても気に入ってくれたようです。
7部山のスタッドレスを15インチのアルミに履かせ、付属品として荷室に積み、2万円で商談成立。
事前に状況を話した時に、私の提示した金額を聞いてかなりのボロだと思ったそうです。
状況によっては、倉庫代わりに置いておいてもいいかな?とまで考えていたそうです。
ワンオーナーで、23万キロという走行距離は14年間で積み重ねてきたものだということと、査定がつかないのは雹害車であることを告げたら、彼も納得してくれました。
車内はきれいにしてましたから、自分で言うのもナンですが、お買い得だと思いますよ。(笑)

一通り場内をまわった後、御殿場駅までキャラバンで送ってもらうことにしました。
他人の運転でセカンドシートに座るのは久しぶりの体験でした。
どこへ行くにも、かなりの割合で自分で運転していましたから・・・助手席やセカンドシートに座った記憶がほとんどありません。

御殿場駅に着く頃はものすごい豪雨でした。
朝はあんなに晴れていたのに・・・これはきっと、キャラバンの涙・・・!?
豪雨のため、私はキャラバンの後姿を眺める余裕も無く、慌てて駅構内へ入ってしまいました。

14年間、あれやこれや手をかけて、ほとんど毎日乗っていたキャラバン・・・
お別れする時は絶対に泣くと思っていましたが、不思議とそのような感情はありませんでした。
新しい車を迎える喜びの方が大きかったのか?
ハイエースを『トランポ』に仕上げるための計画が忙しくて余裕がないのか?

いや・・・なんというか、実感がわかないんですよね。
毎朝、当たり前のようにあったキャラバンが、もうそこにいないなんて・・・
朝、玄関を出ると、見慣れない車に違和感を覚える日々がしばらく続くんだろうな・・・

 

さよなら・・・キャラバン・・・


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