オフロード初心者数人を引き連れて林道ツーリングに出かけた時のことだった。
その集団の中ではベテランの部類に入るCRM君、リヤタイヤがパンクしてしまった。
どうやらエア圧が低いまま飛ばしていて、ガレ場でヒットしたようだ。
タイヤレバーや予備チューブ、ポンプなど修理に必要な工具は私が一式持っていたので、その場でチューブを交換することにした。
タイヤ交換自体、見た事のない人も何人かいて、みんなでCRMを囲んでタイヤ交換講座が始まった。
CRM君が作業している横で、私は、あーしろだ、これはこーだ、と口を挟む。
基本的には手は貸さない。
「ちょっと貸してみ・・・」
じれったくなって、そう言いたくなる時もあるが、ぐっとガマン。
自分で作業しなければ身に付かないと思うからだ。
エンデューロやモトクロスをやっている人のほとんどは、一度くらいは自分でタイヤ交換をしたことがあるのではないだろうか?
2day'sのエンデューロなどでは、1日目のレースが終わった後、たったの20分間でタイヤ交換その他のメンテをこなさなければならない。
レイドカムロで優勝したことのある友人は、15分以内でタイヤ交換できるらしい。
まあ、そこまでの技量はないにしろ、私だってレースや練習の度に交換したり、レース当日の朝、コースコンディションに合わせて現地でタイヤ交換した事もある。
タイヤ交換って面白いもので、細かいところでは人それぞれやり方が違っていたりする場合が多い。
その人にとって最も作業しやすい方法で行うのが良いだろう。
なので、そういう点に関しては、私はあまり口を挟まない。
俺の場合はこうするけど・・・くらいの事は言うが。
ただ、基本的な事とか、正しいセット方法などが間違っていれば助言をする。
「せきぴーさんって、いろいろ知っているのに何も教えてくれないよね〜。」
と言われた事がある。
おいおい、ちょっと待て!
そーじゃねぇだろ!
少なくとも私は、聞かれた事に対して知ってる事は何でも答えているつもりだが?
前述のとおり、確かに私は何も聞かれなければ、あまり口出ししたりしない方かもしれない。
間違った事をしているとか、解決方法が分からなくて悩んでいるとか、そういう状況に偶然居合わせたのなら別だが。
特に助言を必要としているように思えなければ、いちいちおせっかいすることもなかろう。
バイク乗りなんてのは、自我の強い人間が多いというのが私の持論だし、十人十色が私の信条であるから、自分と違うやり方をしていてもそれはその人のやり方なのである。
自分の方法を押し付けるような事はしない。
ましてや私は自分の事を未熟者だと自覚しているので、自分よりも速いライダーやベテランに対しては助言なんて出来るハズが無い。
まあ、そうは言ってもそれなりに経験だけは積んできているわけだから、知識や技量はそれなりにあるつもりだ。
なので、明らかに手助けが必要と思われる初心者に対しては、助言などしていると思っている。
私だって、そうやっていろんな人にいろいろと教えてもらってきたのだから。
もしかしたら・・・私の場合、初心者への気配りが足りないという事だろうか?
そもそも、『何も教えてくれない・・・』とは、ずいぶんと甘えた考えではないか?
何も教えてくれない・・・
それでは、一体私は何を教えたらいいの?
アナタは何を知りたいの?
何が良くないのか、それすら分からない・・・もしそうなら、
「何か気付いた点をアドバイスしてくれ。」
とか、そういう漠然とした質問でもいいではないか。
ただ黙っていて、何も教えてくれないと言って愚痴る・・・
ライディング・スクールの生徒さんじゃないんだから、愚痴る前に自分から聞きなさいよ。
もっとも、昔の職人さんは、師匠から教えてもらわずに技を盗んだというが・・・
ベテランライダーとレースやツーリングに行くと、トランポの積み方から走り方、キャンプのノウハウまでいろいろと参考になる事が実に多い。
そういうのはいちいち教えてもらうのではなくて、一緒に行動する中から自分で得るものではないだろうか。
その中で、詳細の分からない事、意味が理解できない事はすぐに質問する。
ほとんどの人は、丁寧に教えてくれるだろう。
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。
私だって、一時の恥をしのんで、ずいぶんと恥ずかしい初歩的な質問を繰り返ししてきたもんだ。(笑)